ビゼー「アルルの女」第1組曲「アダージェット」
ビゼー「アルルの女」第1組曲「アダージェット」
ビゼー(1838-1875)の劇音楽「アルルの女」の中の数々の名曲は2つの組曲にまとめられていますが、
その第1組曲・第3曲「アダージェット」は3分ほどの短い曲ですが、とりわけ美しい曲です。
年老いた恋人同志の対話の場面で使われている曲なので、弱音器をつけた弦楽器が奏でる甘美な旋律は
青春の思い出に浸っているような感じですね。
曲名は「アダージェット」(アダージョよりやや速くの意)ですが、楽譜のテンポ指示は
『アダージョ』です。
私が中学3年のとき、学校の3学年の校舎の廊下にゴッホの「ラ・クローの収穫」という絵が
掛かっていました。(下写真)
この作品はゴッホがアルルに滞在していたとき描いたもので、その明るい色彩の風景画は、ビゼーの
「アルルの女」の音楽と溶け合って、多感で夢多き少年時代にしばし戻った気分にさせてくれます。